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中谷太洋さんが、企業間取引ネットワークにおける階層構造について分析した結果を計算社会科学会にて発表しました。

2025年02月17日

DEMLセンター研究支援者の中谷太洋さんが、企業間取引ネットワークにおける階層構造について分析した結果を2025年2月17日(月)に計算社会科学会にて発表しました。その研究成果の概要を本ページにて紹介します。予稿は学会公式サイトで期間限定公開されました。 大会詳細はこちらをご覧ください。

本研究は、2024年11月に応用地域学会で報告した内容を発展させたものですので、こちらもご覧ください。

概要:自然災害や戦争により不確実性が増す現代では、生産物の供給の連鎖を表す階層的な概念であるサプライチェーンを把握する必要がある。本研究では、帝国データバンクが定義するサプライチェーンである「商流圏」に対して組み合わせホッジ分解を適用した。商流圏では任意の企業を頂点として、売上依存関係にある企業群を最短経路に基づく離散的な階層に配置していたが、本研究ではポテンシャルを用いることで、元の離散的な方法の特徴をある程度保持した状態で連続的な位置の表現が出来るようになった。さらに、関係のある全ての企業を必ず頂点企業の下に配置することでは見えなかった、頂点企業より上流の企業との位置関係も記述することができるようになった。この研究から、ボトルネックとなる企業が明らかになるため、有事の対策や代替的な取引先の検討が可能になる。現在は全体から階層的なつながりが強い局所的なネットワークを自動で検出する指標と方法を開発している。