2026年03月23日
【概要】2000年代後半以降、日本企業では現預金比率の上昇と設備投資の伸び悩みがみられ、COVID-19流行期にはゼロゼロ融資などにより現金保有がさらに増加した。本研究では、企業の現預金保有の決定要因と流行期の変化を分析した。分析の結果、中小・零細企業では予備的動機の高まりに加え、公的支援による資金が現金として滞留する傾向が確認され、特に資金制約の強い企業ほど借入による現預金の積み増しが顕著であった。また、業種別には建設業や製造業などで負債の影響が強くみられる一方、一部業種ではその影響は限定的であった。これらの結果から、現金保有の増加には不確実性への備えと公的支援に加え、資金制約や業種特性が重要な役割を果たしていることが示された。
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