研究成果

コロナ禍の倒産件数予測モデルを開発

令和2年10月7日(水)、滋賀大学と株式会社帝国データバンク(東京都)との共同研究センターであるData Engineering and Machine Learningセンター(以下、DEMLセンター)は、コロナ禍の倒産件数予測モデルを開発しました。
本年第4四半期と来年第1四半期の倒産件数予測値は、世界金融危機時に比べ、低水準で推移すること、そして、「悲観的予測値」(予測値の90%信頼区間上限値)でも、尚2013年当時の水準に止まることが予測されています。世界金融危機以降の日銀の金融緩和、特に量的質的金融緩和を背景に、貸出約定平均金利の低下、金融機関の貸出態度の軟化、実質実効為替レートの円安化が進行し、倒産件数を下押ししていると解釈できます。
但し、倒産件数が低水準に止まるとの本予測は、あくまで感染状況が比較的落ち着き、景況感が回復してきた現時点のものであり、今後、感染状況が再び拡大し、経済活動の縮小を余儀なくされる事態に陥れば、倒産件数は上振れすることにご留意されたい。
また、コロナ禍の不況の深刻さは、倒産件数には現れなくても、雇用関連指標(完全失業率、有効求人倍率等)に現れてくることが懸念されています。今後、本センターでは、コロナ禍の雇用関連指標の予測モデルの開発に努めて参ります。

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