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中谷太洋さんが、サプライチェーンを検出するアルゴリズムについてNetSciにて発表しました。

2025年10月08日

DEMLセンター研究支援者の中谷太洋さんが、サプライチェーンを検出するアルゴリズムを2025年6月3日(火)にNetSciにて発表しました。その研究成果の概要を本ページにて紹介します。大会詳細はこちらをご覧ください。

本研究は、2024年11月に応用地域学会で, 2025年2月に計算社会科学会で報告した内容を発展させたものですので、関連記事もご覧ください。

概要:自然災害や戦争により不確実性が増す現代では、安定的な生産活動を行うために、生産物の供給の連鎖を表す階層的な概念であるサプライチェーンを把握する必要がある。本研究では、ネットワーク全体から階層的なつながりが強い局所的なネットワークを自動で検出する枠組みとアルゴリズムを開発した。提案手法では、ネットワーク上の流れを勾配成分と循環成分に分解する、組み合わせホッジ分解を適用し、勾配関係の弱い(循環の強い)接続を切り落とすことで、局所的に勾配的な接続が強い集団を抽出する。提案手法を帝国データバンクの取引ネットワークに適用した結果、99%の集団で高い勾配比率が示された。内部構造も都市型・地方型等の地理的な範囲の特徴が表れており、生産工程における上流・下流の産業間の階層関係も示唆されたことから、サプライチェーンとして妥当であると判断できる。